犬を飼っている家庭で、猫用のキャットフードを犬が食べてしまうことは意外とよくあることです。しかし、犬にキャットフードを与えても大丈夫なのでしょうか?
結論から言うと、短期間で少量を食べてしまう分には大きな問題はありませんが、長期間与えると健康リスクが高まります。
この記事では、犬と猫の食事の違いやキャットフードの成分、犬に与えた場合のリスク、誤食した場合の対処法、犬に適した食事の選び方について詳しく解説します。
犬と猫の食事の違い

犬と猫の栄養ニーズの違い
犬と猫はどちらも肉食傾向のある動物ですが、食事の必要条件には大きな違いがあります。
項目 | 犬 | 猫 |
---|---|---|
食性 | 雑食性(肉と植物の両方を消化可能) | 完全肉食性(動物性タンパク質が必須) |
タンパク質必要量 | 18-25%(成犬の場合) | 30-40%(成猫の場合) |
タウリン | 必須ではない(体内で合成可能) | 必須(食事から摂取しないと欠乏症を引き起こす) |
脂質の必要量 | 適量(高脂肪は肥満リスク) | 多めに必要 |
炭水化物 | 消化可能 | ほとんど必要なし |
キャットフードとドッグフードの成分比較
キャットフードは、猫にとって必要な高タンパク・高脂肪の配合になっています。一方で、犬には過剰な栄養素が含まれていることがあり、特に長期間摂取すると健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
犬にキャットフードを与えるとどうなる?

健康への影響(短期的・長期的)
短期的な影響
- 消化不良(下痢・嘔吐・軟便)
- 高脂肪による胃もたれや膵炎のリスク
長期的な影響
- 肥満(高脂肪・高カロリーによる影響)
- 腎臓・肝臓への負担
- タンパク質過剰摂取による代謝異常
キャットフードの高タンパク・高脂肪のリスク
キャットフードは犬にとって必要以上のタンパク質と脂肪を含んでおり、特に高齢犬や持病を持つ犬にとって負担が大きくなります。
犬にキャットフードを与えてはいけない理由

タウリンの過剰摂取リスク
猫にとって必須のタウリンは、犬にとっては必要な栄養素ではありません。過剰に摂取すると、代謝のバランスが崩れる可能性があります。
ビタミン・ミネラルのバランスの違い
キャットフードには、猫の健康維持に特化したビタミンやミネラルが含まれています。犬にとってはバランスが合わず、栄養過剰や不足が発生する可能性があります。
犬がキャットフードを食べてしまった場合の対処法

少量なら問題ない?
1回や2回の誤食であれば、大きな問題はないことがほとんどですが、犬の体調変化をしっかり観察しましょう。
体調チェックのポイント
- 下痢や嘔吐はないか?
- いつもと違う行動をしていないか?
- 水を異常に飲んでいないか?
異常が見られた場合は、すぐに獣医師に相談しましょう。
犬と猫が同居している場合の食事管理のコツ
・食事スペースを分ける(犬が猫のフードを食べないように)
・キャットフードを高い場所に置く(犬の手の届かない場所)
・食べ残しを放置しない(誤食を防ぐため)
犬に適したフードの選び方
・栄養バランスの良いドッグフードを選ぶ
・手作り食を考える場合は、栄養バランスに注意
・獣医師と相談しながら適切な食事管理をする
犬とキャットフードのまとめ
犬にキャットフードを与えても大丈夫かという疑問に対して、結論は「NG」であり、基本的には与えない方がよいということが分かりました。キャットフードは猫専用に作られており、犬の体に合わない栄養バランスになっています。短期間・少量であれば大きな問題になることは少ないですが、長期間継続的に食べることで健康リスクが高まるため、犬には適したドッグフードを与えることが大切です。
特に気をつけるべきポイントとしては以下の点が挙げられます。
✔ キャットフードは高タンパク・高脂肪であり、犬の体に負担をかける可能性がある
✔ タウリンや特定のビタミン・ミネラルが犬にとって適切ではなく、長期的な健康被害につながる
✔ 犬がキャットフードを誤食した場合は、体調の変化をしっかり観察し、異常があれば速やかに獣医師に相談することが重要
✔ 犬と猫が同居している場合は、フードの置き場所や食事環境を工夫し、誤食を防ぐ対策を講じることが必要
犬の健康を守るためにできること

犬に適した栄養を確保するためには、バランスの取れたドッグフードを選び、適切な食事管理を行うことが不可欠です。特に、以下の点を意識すると良いでしょう。
- 犬の年齢・体重・活動量に合ったフードを選ぶ
成犬用・シニア犬用・パピー用など、ライフステージごとに最適なドッグフードを選択することで、健康を維持しやすくなります。 - 総合栄養食を選び、犬に必要な栄養素をしっかり摂取させる
ドッグフードのパッケージには「総合栄養食」と記載されているものを選び、犬が必要とする栄養バランスを崩さないようにしましょう。 - 手作り食を考える場合は、栄養バランスを考えたレシピを活用する
犬の手作り食を与える場合は、栄養バランスが崩れないように専門家のアドバイスを受けたり、適切なレシピを参考にすることが大切です。 - 犬と猫の食事管理を徹底する
犬がキャットフードを食べてしまうのを防ぐために、猫の食事スペースを犬が届かない場所にする、食べ残しをすぐに片付けるなどの工夫をしましょう。 - 犬の体調を定期的にチェックし、食事が健康に影響していないか確認する
日頃から愛犬の体重や毛並み、便の状態、食欲の変化などをチェックし、何か異常があれば早めに対応することが大切です。
犬の健康を第一に考えた食生活を!

食事は犬の健康を左右する重要な要素です。キャットフードを誤食してしまうことがあるかもしれませんが、すぐに体調を崩すことは少ないため、焦らず様子を観察しましょう。とはいえ、犬には犬に適した栄養バランスのフードを与えることが最も安全で健康的な選択です。
愛犬のために、正しい知識を持ち、適切な食事管理を心がけましょう!