犬を飼っている飼い主にとって、突然の入院は大きな心配ごとです。
「入院中、愛犬の世話はどうしたらいいのだろう?」
この不安から入院をためらったり、治療を先延ばしにしてしまうケースも少なくありません。
こうした課題に応える形で、岐阜県羽島郡笠松町の松波総合病院は2025年4月に、日本初となる病院附設「ペットおあずかりセンター」(Your pet in hospital)を開設しました。
さらに、連携する海津市医師会病院では、「ペットと一緒に入院できる病棟」(With Pet Ward)を整備。
愛犬と飼い主が安心して医療を受けられる画期的な仕組みが始まっています。
ペットおあずかりセンターとは?

入院中の飼い主を支える仕組み
松波総合病院の「ペットおあずかりセンター」では、入院する患者の愛犬を敷地内で預かります。飼い主は医師の許可を得れば、センター内の面会室で愛犬と触れ合うことができ、病院敷地内で一緒に散歩することも可能です。

安心のサポート体制
- 愛玩動物看護師や動物好きのスタッフが日常の世話を担当
- 獣医師免許を持つ医師も常勤しており、医療面からも安心
- 清潔で安全な飼育環境を提供
これにより、飼い主は入院中も愛犬とつながりを感じながら治療に専念できます。また愛犬にとっても大好きな飼い主が近くにいることは大変嬉しいことです。
ペットと一緒に入院できる病棟
海津市医師会病院との連携

松波総合病院で急性期治療を終えた患者は、海津市医師会病院に転院し、愛犬と同じ部屋で療養生活を続けることが可能です。大好きな愛犬に見守られながら治療を継続できることは、何よりも心強いことです。
なお、松波総合病院では、必ずしも海津市医師会病院へ転院する方だけを受け入れている訳ではありませんが、海津市医師会病院へ直接入院することは出来ませんのでご注意ください。
犬にやさしい環境

海津市医師会病院では、愛犬の飼育環境にも配慮し以下のように各設備面も充実しています。
- 440㎡のドッグパーク(ドッグラン)を整備
- 芝とウッドチップを敷き、犬の足腰にやさしい設計
- 飼い主と犬が安心して過ごせる居住空間
これにより、愛犬と共に療養生活を送りながら心身の回復を目指すことができます。
なぜこの取り組みが必要なのか?

コロナ禍で浮き彫りになった課題
コロナ禍では「ペットの世話ができないから」という理由で入院を拒み、自宅療養を選んだ結果、命を落とすケースがありました。悲しい事例ではありますが、犬は大切な家族の一員です。愛犬家の皆様には、自宅療養を選択してしまう理由が少なからず理解できるのではないでしょうか。
ペットが医療の壁にならないために
松波総合病院は「愛犬の存在が医療を受ける障壁になってはいけない」という理念のもと、
入院から退院まで愛犬と一緒に過ごすことを可能にしました。
この取り組みは患者の心の支えとなり、早期回復にもつながる可能性が期待されています。
対象や今後の展望

- 現在は犬のみの受け入れ
- 将来的には他の動物にも対応が拡大する可能性あり
- 全国的に同様のモデルが広がることで「ペットと共にある医療」が当たり前になる期待も
まとめ

松波総合病院が始めた「ペットおあずかりセンター」と「ペットと一緒に入院できる病棟」は、
- 入院患者が安心して医療を受けられる
- 愛犬が安心できる環境で過ごせる
- 飼い主と犬の絆を守りながら治療を継続できる
という新しい医療の形です。人にとっても愛犬にとっても大変嬉しいことであり、今後この取り組みが全国へと広がることで、愛犬と飼い主に寄り添う医療環境が整っていくことを期待したいです。近い将来、このような医療の形が当たり前になることを願っています。
詳しくは松波総合病院の公式サイト「ペットおあずかりセンター」をご覧ください。